2013年4月23日火曜日

授産品読本ができました。



新潟県からの業務委託をうけて、昨年10月末から約4ヶ月間、「平成24年度新潟県魅力ある商品づくり事業」に取り組ませていただき、その取り組みを一冊の冊子にまとめました。現在facebookページの立ち上げ準備中です。発行部数が大変少ないので、今後facebookを中心としてこの事業の取り組みをお伝えしていく予定です。

この事業は、
既存の授産製品の売上増加を目指す事業所に、品質や商品力等製品改善を支援するコーディネーターを派遣し、改善された製品の販路の見直し・拡大を図ることで、売上増加に伴う工賃向上を目指す。
ということで、私達はコーディネーターとして4つの施設さんと関わらせていただきました。

当初、この冊子は各施設の商品紹介にする予定だったのですが、サポートに入っていくにつれて、「授産施設で魅力あるものづくりの鍵を握っているのは職員さん」というところがどうしても無視できず、現場で少しでも役立ててもらえるような冊子にしたほうがよいのでは??と、方向転換。こういう結果となりました。

この事業の取り組みと冊子製作を通して、各現場でひたむきに働く方々の姿に出会い授産製品の良さは現場に全てあるということを改めて確認できました。また逆に、施設側がその良さを生かしていく術を身につけるために、まだまだ改善しつづけていかなければいけないこともたくさん見えました。

「どうしたら施設内で利用者さんと職員さんが商品づくりを楽しむことができるだろうか」「福祉施設における魅力ある商品ってなんだろうか」と考えた4ヶ月、とそれ以上。

コーディネーターがいなくても商品改善でき、楽しく取り組める方法があればそれにこしたことはない。

いつからか「工賃倍増計画」とか「工賃向上計画」とか、そんな言葉をよく耳にするようになり、現場の職員さんも「売上をあげなければいけない」とよく口にするようになりました。実際、私が福祉施設で働いていたときも、そう言われているから、そういう時代だから、という「雰囲気」でそう言っていたような気がします。

ですが、

本気でものを売ることで利益をあげたいと思っていたか。
なぜ売上げをあげなければいけないのか。
なにがほんとうに必要なのか。
誰の幸せのため?何のため?本気ってなに?

ここらへんは明確ではなかったように思うし明確にする必要がなかった。何故なら、売上げがあろうがなかろうが施設に雇われた身としては、授産製品の売上げがあろうがなかろうが自分の給料と生活には影響しないから。
今回この事業に関わらせていただいて、やはりそこはぼやっとしているんだな、と改めて感じました。現場の職員さんも日々方法を考えあぐねもやっとしている。

授産製品の製造・販売は一般的な企業や作り手のそれとはかなり違う部分がありますが、現場には確かな生産力と温かな魅力があり、それを製品にのせて流通させるためには色々な工夫が必要です。現場に行くと本当に色んなことが見えてくる・・・。

そんなこんなで取り組んだこの事業。事業は終わりましたが、引き続き各施設さんの動きや製品の魅力、現場の姿をお伝えしていこうと思います。

新潟県のホームページにPDFファイルがリンクされています。読みにくいかもしれませんが、お時間ありましたら読んでみてくださいね。
http://www.pref.niigata.lg.jp/shougaifukushi/1356755514956.html

この冊子製作にあたりデザインをお願いしましたカメガイアートデザインさんのページにてご紹介いただいています。こちらも是非!ディレクターさん、デザイナーさんには取材にとことん同行していただきました。現場で撮っていただいた写真たちがほんといい!!
このディレクターさんとデザイナーさんとのやりとりもとても学びが多かったので、この話も後にお伝えしたいと思います。
http://kad.sakura.ne.jp/log/eid201.html


(小林)