2013年4月20日土曜日

オリジナル商品開発事業報告

昨年度に関わらせていただいた「オリジナル商品開発事業」。

8月から約半年間の取り組みが、3月に無事終了となりました。
最初は「どうなるか・・・」といった感じでしたが、なんとかなったかな。

事業は終了しましたが、これからもやるべきことはたくさん!!
私達も、引き続きひっそり、じんわり、関わらせていただきます。

では、3月に行われた報告会より。
長文になりますが、よろしければお付き合いください!!

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まずは「ワークセンターふぁみりー」さん。
米粉パンの開発に1からというか0から取り組まれました。


あるときは県の食品研究の方にアドバイスをいただいたり、
そして、またあるときは、製菓学校の先生にパン作りを習ったり、

色々と紆余曲折、米粉食パンができました。

私達も試食させていただきましたが、見た目はパンで、味や食感はごはん。
(あたりまえ!)
納豆や味噌がお似合いでした。小麦のパンより重量級なので腹もちよし、です。
準備が整い次第販売開始ということで、楽しみです。

ふぁみりーさん、米粉の扱いが難しく、試作途中で「米粉パン、やめようかな・・・」と弱気になるということもありましたが、「小麦アレルギーの方に食べてもらいたい」という最初の思いを再確認し、最後まで取り組みました。
ふぁみりーさんが米粉パンを諦めないほうがよいと思った理由に、厨房は新設されたばかりで、まだ小麦粉を使用していないということがありました。

最初の思いを軸に諦めずにやり抜く!
とことんやって、駄目なら違う方法を考える!
私達にとっても学びでした。

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さて、続きまして、「青山ファクトリー」さん。
クッキーのギフトセットを作りたい!クイリングを使いたい!という、熱い思いを持って取り組まれました。


シュレッダーにかけた細長い紙をくるくる巻いてモチーフを作る、という作業をされています。


そのモチーフを使ってなにか新しい商品にならないかと考え、ギフトセットに使うという案のもと、取り組みが進みました。
当初、クリスマスへ向けて!となっていたのですが、サンプルができた頃はクリスマス間近・・・ということで、この案は来年使おうと。先取り、先回り!!

これをベースに「春」をテーマにギフトセットを考案しました。
完成したものがこちら!!かわいらしい花とてんとう虫のモチーフが付いています。
リボンもみどりとピンクの2種。



中にもクイリング!クッキーの止め具にもクリング!
当初2,000円くらいのギフトセットが作りたい。という思いがありましたが、クッキーだけで2,000円は厳しいなぁとなり、フェアトレードの紅茶とのセットをご提案。
いいボリュームがでたのではないかと思います。
なぜ、クッキーだけで2,000円のものが作れないのか。
通常100円程度で販売しているクッキーを単純に詰め合わせると大量になることがまず挙げられる理由です。が、それに関しては、工夫次第でいくらでも金額を上げていくことはできたりするもんです。ですが、それ以上に、長年続けてきた結果、グラムに対しての価格を変更するということが出来ない。という現状があるということが大きいのです。
私達としても、「安いですよ、金額をあげたらいいじゃないですか」とは簡単には言いたくありません。実際、低価格で買える良さというのも福祉の商品のいいところではあると思うからです。まず、いろんなバランスを保つということが、金額を調整するより大事なのでは??と考えました。(でも、間違いなく低価格は改善すべきだとは思ってますよ)
そして、中身が完成。きれいに整えられました。
素敵だなー。


商品説明の紙をクイリングのモチーフで巻いて止めてあります。
季節によって変わるのかな??楽しみです。


青山さんの所在地や、クッキーに関する情報、クリングに関する情報、そしてフェアトレ−ドに関する情報、受け取った方に対する気配りが感じられます。


青山ファクトリーさんの商品開発スタイルを見させていただいて、いちばんいいなーと思ったのは「チームワーク」。これにつきる!
中身について考える担当がいて、外見について考える担当がいて、利用者さんの仕事について考える担当がいて、施設長さんも会議に参加して、みんなでわいわい!と取り組んでいらっしゃいました。報告会のとき、「どうでしたか?」という問いに、若い女性の職員さんが「楽しかった〜!」と言っていたのが印象的でした。その気持ちはきっと利用者さんにも反映していくのだと思います。
購入希望は青山ファクトリーさんまで!
https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/shofuku/syogaiservice/syogai/nishi_shisetu/nishi_01.html

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では、お次は「地域活動支援センター石山」さん。
とても美味しい「ごませんべい」の新パッケージと「米粉カステラ」の改善と、「利用者さんの描く絵をなんとかしたい!」という盛りだくさんの取り組みでした。

報告会には担当者さんスーツで登場!気合い入ってます。



結構個性的なイラストがたくさんありました。定期的に絵を描く時間を設けているとのこと。これをなんとかしたいなーというお話でした。

ということで、まずは既に完全な商品になっている「ごませんべい」の新たな販路を求めて新パッケージの開発。いくつかパケージ案を出したりしてみましたよ。
包装紙を作って、切って、折って、貼って、袋を作り自らパッケージを作る方法。



ポイントは、デザイナーにお願いしなくてもできる方法。
パソコンを使用するイメージがあると特別なことだと思われるかもしれませんが、そんなに難しいやり方でなくとも出来る方法があるんです。(これも別記事で!)

福祉施設で作る商品は手作りがゆえに、必然と生産数も限られます。
まず自前で出来る方法を得ることはとても有効だと思っています。
これもバランスだと思うのです。生産量と販路とデザインと売上と。


石山さん、私達はパッケージに関してのサポートでしたが、新規食品の商品開発に関してはDAIDOCO(http://daidoco.net/)さんという新潟でケータリングやフードデザインを手がける方に依頼し取り組みました。DAIDOCOさんは私達もご縁があり繋がらせていただいているのですが、担当してくれた佐藤さん大変きめ細かい対応で、とても感動しました。
最終的に「コロッ玉」というカステラが出来上がりました。

この辺に関しては長くなるのでまた別に書こうと思います。

さて「利用者さんが描く絵をA2の紙に配置し包装紙を作ろう!」という取り組みです。
「イラスト」は「絵画」と違って、そのもの自体が商品になるというよりも、その良さがよりよく生かされるような「製品」になっていくほうが楽しいと思っています。
だから、包装紙にしてわくわく感溢れるものに変化したらどうかなと、ご提案しました。
完成間近のサンプルがこれです。
石山さんの商品、新潟の風景、などなど、たくさんのイラストが集合しました。
このデータも簡単な方法で石山さんで作成しています。




これで、印刷かければ完成!といったとこまできて、「ほんとうにこれでよいのか?という疑問がわいてきた。もう一度検討します。会議にご参加を!」とのことで、石山さんへ伺ってきました。・・・ということで現在も続いております。
とてもいいことだと思います。検討に検討を重ねる!なかなかいいじゃないですか!
今後にご期待ください!!引き続きレポート致します!!

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さて、最後は「陽廣園」さん。


廃材のロウを使って新商品の開発に挑みました。

印象的には一番苦労されていたかなーという感じでしたが、最終の報告会でとても感動しました。ちょっと光がみえたんじゃないか?という感じでした。
始まりは、あるショップに並んでいたロウを使った商品を見て「こんな商品が作りたい!!」と思って取り組まれていたのですが、その目標にしていた商品がどうも調べてみると作家性が高いもので、真似をして類似品を作り販売するのはいかがなものか?よくないのでは?純オリジナル商品開発に取り組むべきでは?とだいぶ突っ込んでしまい、そこから取り組みが進まないということがありました。

福祉施設の商品でよくキャラクターの刺繍をしていたり、そんな商品をよく見かけるわけですが、それでいいのか?という思いは拭えないのです。
「売れるものを作って利用者さんの工賃になるのに何がいけないの?」というお言葉も聞きました。悪気がないことは承知しています。みんな真剣であることもわかります。

けれど、真似は真似。ホンモノではない。お客さんを馬鹿にしてはいけません。利用者さんを巻き込んではいけません。プライドを持った方がいい。

ということで、いろいろ試行錯誤ののち、ほんとうにたくさんのサンプルが出来上がってきました。本来は「サンプル」ではなく「商品」を発表する場ですが、それはひとまず置いといて、ここまで来た!ということに価値があると思っています。













立体にもなったらおもしろいのでは?ご提案。


植物は入ってる!


で、いちばん面白かったのが、シリコン型をつくり、


フラワーベースができたこと!!水に強いですよねーという話から、展開。
売り文句「花を生けていなくても素敵です!」も生まれていました。笑


陽廣園さんお得意の木工で台もつきました。


急展開です。このフラワーベース、うまくいったら扱いたいなー、出来たらご連絡ください!とお伝えしてきました。今後が楽しみです。

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さて、長文になりました。
何人の方が読んでくれましたでしょうか・・・。
振り返って、突っ込みながらも、「面白かったなぁ」と思っています。
半年の取り組み、ここではもれていることもたくさん!
引き続き宣伝活動にいそしもうと思います。

コーディネータというかたちで入らせていただいたのですが、この立ち位置の場合、私達ができることは、とにかく沢山のアイディアをお伝えすること。それをどうするのかは現場の判断です。
だから私達も日々感性を鍛えなければならないのです。頑張りますよ。

ほんとうに現場の職員さんたちは頑張っています。もちろん利用者のかたも頑張っています。この力を生かしていくのは私達の役目だと思っています。いいちからがたくさんある。この事業に関する業務は終わりましたが、ここで取り組んだ商品はこれからスタートするのです。「じゃね!」とは言えません。とりあえず出来る限り続けて紹介していきたいと考えています。

なので、みなさまもお付き合いください!!