妖精のようなえーこちゃんが、
「おばあちゃんにプレゼントしたい」と言って、
さをり織りのストールを注文してくれた。
昨年、下田の長見寺で開催された「茶がま市」に、おばあちゃんとえーこちゃんに会った。
そのとき、おばあちゃんが薄手で落ち着いた色のストールをよく見て試着してくれて、
そしてとてもよく似合っていたのを思い出してくれた。
私たちも、そのときのことをよく覚えていて、
年を重ねた方が身につけると、また織物の雰囲気も変わってくるもんだなぁと、
新しい発見をもらった体験だった。
おばあちゃんは、たしか、88歳だと言っていたような気がする。
30年生きるのだって結構長いぞと思っていたけど、まだまだ倍以上。
現在80代の女性の生きて来た時代は、
社会も生活も経済も、今よりもはるかに大きなうねりの中で進んで来て、
そんな時代を生き抜いて来た女性のしわしわになった手で、
丁寧に私たちの商品を扱ってくれている。
その光景だけで、胸がいっぱいになる。
私たちからみたら大きなうねりだと思うけれど、
おばあちゃんにしたら、ただひたすら生きて来ただけなのかもしれないけれど。
えーこちゃんがおばあちゃんの写真を送ってくれた。
よくお似合いです!
このあとおばあちゃんは、
じいちゃんに見せると言って仏壇に供えてみたり、
コートと合わせてみたり、
koroの紙を一生懸命読んだり。
最後はまたラッピング状態に戻していた、とか。
ありがとう、えーこちゃんとおばあちゃん。
因にラッピングはこんなかたちに。
さをり織りのハギレで作ったくるみボタン付きです。
そして、そんなおばあちゃん想いの妖精えーこちゃんは、
お嫁にいって東京へ行ってしまうんだって。
「えーこちゃんがお嫁にいっちゃう」というフレーズだけで泣けてきます。
えーこちゃん、末永くお幸せに!
作業所からうまれた製品が、こんな風に自然なかたちで巡っていくという、
その間に自分たちの仕事の大きな意味があるんだなぁと、
多くの方々の出会いによって気づかされる、今日この頃。