2012年2月21日火曜日

ほほえみさんのさをり織りのストールとおばあちゃん

妖精のようなえーこちゃんが、

「おばあちゃんにプレゼントしたい」と言って、

さをり織りのストールを注文してくれた。


昨年、下田の長見寺で開催された「茶がま市」に、おばあちゃんとえーこちゃんに会った。

そのとき、おばあちゃんが薄手で落ち着いた色のストールをよく見て試着してくれて、

そしてとてもよく似合っていたのを思い出してくれた。

私たちも、そのときのことをよく覚えていて、

年を重ねた方が身につけると、また織物の雰囲気も変わってくるもんだなぁと、

新しい発見をもらった体験だった。

おばあちゃんは、たしか、88歳だと言っていたような気がする。

30年生きるのだって結構長いぞと思っていたけど、まだまだ倍以上。



現在80代の女性の生きて来た時代は、

社会も生活も経済も、今よりもはるかに大きなうねりの中で進んで来て、

そんな時代を生き抜いて来た女性のしわしわになった手で、

丁寧に私たちの商品を扱ってくれている。

その光景だけで、胸がいっぱいになる。

私たちからみたら大きなうねりだと思うけれど、

おばあちゃんにしたら、ただひたすら生きて来ただけなのかもしれないけれど。


えーこちゃんがおばあちゃんの写真を送ってくれた。























よくお似合いです!

このあとおばあちゃんは、

じいちゃんに見せると言って仏壇に供えてみたり、

コートと合わせてみたり、

koroの紙を一生懸命読んだり。
























最後はまたラッピング状態に戻していた、とか。

ありがとう、えーこちゃんとおばあちゃん。

因にラッピングはこんなかたちに。

さをり織りのハギレで作ったくるみボタン付きです。
























そして、そんなおばあちゃん想いの妖精えーこちゃんは、

お嫁にいって東京へ行ってしまうんだって。

「えーこちゃんがお嫁にいっちゃう」というフレーズだけで泣けてきます。

えーこちゃん、末永くお幸せに!



作業所からうまれた製品が、こんな風に自然なかたちで巡っていくという、

その間に自分たちの仕事の大きな意味があるんだなぁと、

多くの方々の出会いによって気づかされる、今日この頃。