2011年8月9日火曜日

オーロラさんに出会った。


ちょっと、いや、だいぶ前のこと。

新潟市西区にあります『グループホームオーロラ』さんにお邪魔してきました。

とあるイベントで、コットンの種を販売されていて、その種はなんと自家栽培!その他にも、全盲の方が大きなリリアンのような道具を使い、編みものをされていたり。とても興味深くいつかお話を聞きに行こうと思っていたところ、ご丁寧にご連絡をいただき、伺ってきました。

お得意のgoogle mapをさくさくっと使って近くまで来たところ、ご丁寧に看板がありました。

矢印の先には、オーロラ。
いいことありそう。

静かな住宅街の奥に、オーロラさんはあります。

この日は利用者さんが少なかったのですが、地域の方もいらっしゃって、とても温かく迎えていただきました。


まずパイナップルでも食べなせ、と。


一瞬で、心を掴まれたわけですね。
いや、食べ物じゃないですよ。
雰囲気です。オーロラさんに流れている気が『家』なんです。ちゃんと『場所』ができている。

オーロラさんは、私たちが普段訪れている作業所というものではありません。コミュニティスペースというかんじでしょうか。年齢層が高めで、バリバリ働く!という場所ではなく、様々な思いを持った方々が集う場所。

皆さん、とても器用。
コットンの種を畑に撒き、育て、綿を収穫し、ゴミをとり、紡いでよって糸にし、将来的に製品を作るということをやり始めたとのこと。今はまだ試行錯誤で段階を踏んでいるとのこと。


なんてこったー!!
す、すごいぞ、オーロラさん!!


そして、お昼ご飯。
事前に、よかったら一緒にどうぞ。と言っていただいたので、お願いしてましたら、なんと、なんと、手づくり!
しかも、グリーンカレー!
盛り付けもおしゃれ。

しかもデザートは、手づくりの流れ梅!この梅がたいそう美味しかったのです。




「よく生きるとはどういうことか」を、深く考え実践しているように見えました。

代表の高橋さん。
沢山の話をしていただきました。

その中でも印象に残っているお話の一部。

『障がいがある方や社会的に弱い立場にある方の存在に初めて気がついたのは昭和39年の新潟地震のとき。それまで全く関わりがなかった人たちに触れた。そこから50年近く福祉の世界で生きてきた。30歳から始めて。だからね、今回の地震も何かあるのかもしれない。』

その時代、女性が発言することも、働くことも、今とは全く違う価値観の中で、弱い立場にある人たちたちの人生を想い、行政にかけあって、正しいことを声をあげて生きてきた人。

高橋さんのような人がいて、今の福祉がある。そうでなければ、私たちの仕事など生まれなかったかもしれない。

自分たちなど、ちっぽけで微力だ。

そして、『食べていけてるのか?』という質問に、『いえ、まだまだ…。』と答えざるを得ない私たちに、そんな頼りない私たちに、それ以上何も突っ込まず、笑顔で『ま、がんばって』と。



涙がでそうだった。



ふと振り返り、全くもって自分たちの紹介を詳しくしていなかったことに気づく。(なんて失礼な!)それでも、理解していただけていたという感触を持てたのは、なんだろう。この世を長く生きてきた、いくつもの時代をしっかり見てきた人の眼と心は温かく広く深い。


オーロラさん、好きだな。
時間をかけていい商品作れたらいいな。